3月6日付で新型コロナウイルスに対するPCR検査が保険収載となりました。
TVなどの一部メディアでは『希望者全員に検査が可能に』などと報じられていましたが、現時点ではどこでも、誰でも検査が可能ということではありません。
現在PCR検査は『帰国者・接触者外来』が設置された医療機関でしか行うことができません。
当然ですが、当院では新型コロナウイルスに対するPCR検査は行うことができません。
原則として以前厚労省から発表された『新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安 』をもとに、該当する方はまず地域ごとに定められた『帰国者・接触者相談センター』にお問い合わせいただき、指示を仰いでいただく必要があります。
『帰国者・接触者相談センター』で近医を受診するように言われた場合は、かかりつけ医を受診してください。もし『帰国者・接触者相談センター』にて新型コロナウイルス感染症が疑われると判断された場合に初めて『帰国者・接触者外来』が設置された医療機関を受診するよう指示されます。間違っても、検査を受けたいからといって複数の医療機関を受診するのはご遠慮ください。
受診の目安について下記で詳しく説明します。
1、風邪症状(咳、のどの痛み、鼻水、頭痛)や37.5℃以上の発熱が4日以上続く方
→通常風邪であれば4日以上も症状が変わらず続くことはなく、1-2日目をピークに快方に向かうことがほとんどです。今回の新型コロナウイルス感染症では症状が長く続くことが特徴といわれています。
2、強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある方
→だるさが強くでるのも新型コロナウイルス感染症の特徴といわれています。息苦しさは肺炎を疑う症状です。
なお、以下のような方は重症化しやすいため、この状態が2日程度続く場 合には、帰国者・接触者相談センターに御相談ください。
・ 高齢者
・ 糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD 等)の基礎疾患がある方や透析を受 けている方
・ 免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方
・妊娠中の方
→高齢者や上記のような基礎疾患を持っている方が重症化しやすいのは間違いないので通常より早めの目安になっています。
仮に上記の条件を満たした方であっても、近医受診を指示されることがあるかもしれません。その場合はぜひ受診される医療機関に事前に連絡していただきたいと思います。そうしていただくことで受診時間の調整や感染対策など、その医療機関でできるベストの体制で受け入れることが可能になります。
現段階ではすでに感染経路を把握できない症例が出てきており、クラスターといわれる小規模感染集団の発生が問題となっています。
スポーツジムやライブハウスなどがメディアでは取り上げられていますが、医療機関もクラスターを作る原因になりうる場所です。
当院も院内感染対策を徹底し日々の診療を行っていきます。症状の安定している方は長期の処方にも対応いたします。
なお、今回の新型コロナウイルス感染症における特例として、定期的に受診されている方はご希望があれば電話対応にて再診扱いとし、ご希望の調剤薬局に処方箋をFAXすることでクリニックにお越しいただかなくてもお薬を処方させていただくことも可能ですのでご相談下さい(後日受診の際に電話再診料と処方料等は請求させていただきます)。
(4/24追記)
さらなる感染流行のため、特例として、受診歴の有無に関わらずお電話での診察が可能となりました。詳細については別の記事で書いていますのでそちらを参照ください(電話診察についての詳細はこちらをクリック)。
TVでは連日新型コロナウイルス感染症のニュースが飛び交っており、感染者がどんどん増えていることに恐怖心を抱いている方もいらっしゃるかと思いますが、感染した方たちの転帰(その後どうなったか)についての報道はなかなかされていません。他国での感染拡大や死者・重症者の発生などメディアはセンセーショナルな話題ばかりを取り上げがちですが、一方で治癒・回復されている方も確実にいらっしゃいます。情報があふれている現代だからこそ、情報の取捨選択をして冷静に対応することが必要だと考えます。
とにかく個人でできる対策を徹底していきましょう。