~寝つきの悪さ・夜中の目覚めに悩む方へ~
「布団に入ってもなかなか眠れない」「夜中に何度も目が覚めてしまう」――このような睡眠の悩みを抱えている方はとても多く、内科の当院にもたくさんのご相談があります。
睡眠薬を使うことはもちろん眠れない悩みを解消するのに有効な手段ではありますが、今回は、薬に頼る前に日常生活の中でできる「質の良い睡眠を得るための生活習慣」についてご紹介します。
1. 朝起きたらまず「日光」を浴びましょう
人間を含む生物の体内には約24時間周期の生理的リズム、概日リズム(サーカディアンリズム)が備わっています。朝の光を浴びることで、体内時計がリセットされ、概日リズムが整い、夜の自然な眠気が促されます。
起床後はカーテンを開けて朝日を浴びる、天気のいい日はベランダに出て深呼吸する、といった習慣をつけてみましょう。
2. 寝る1-2時間前に「ぬるめのお風呂」
寝つきをよくするには、体の深部体温がゆるやかに下がっていく必要があります。
ぬるめ(38〜40℃)のお風呂にゆっくり浸かることで一時的に体温が上がり、その後の体温低下がスムーズになり、眠気を促します。
3. 寝る前のスマホ・テレビは控えめに
スマートフォンやテレビの画面から出るブルーライトは、脳を覚醒させてしまいます。
可能であれば、寝る30分〜1時間前には電子機器の使用をやめて、間接照明のやさしい明かりの中で過ごしましょう。
読書やストレッチなど、心を落ち着ける習慣がおすすめです。
4. 寝酒・カフェインは控えましょう
アルコールは一時的に眠気を誘いますが、睡眠を浅くしてしまいます。
また、コーヒー・紅茶・緑茶・栄養ドリンクなどに含まれるカフェインは、覚醒を促し、摂取から6時間以上作用が持続するといわれています。夕方以降の摂取は避けた方がよいでしょう。カフェイン摂取量は1日400mg(コーヒーにして約700ml)までにしましょう。
5. 「眠ろうとしすぎない」ことも大切です
「早く寝なきゃ」と思えば思うほど、かえって脳が緊張して眠れなくなってしまうことがあります。
布団に入ってもすぐに眠れないときは、そのまま眠れるまで待つのではなく一度布団を出て、照明を暗めにして静かな読書や深呼吸などをして、眠気が戻るのを待つのも一つの方法です。
睡眠の質を落とす要因には、不安・うつ・更年期・睡眠時無呼吸症候群など、医学的な要因が隠れていることもあります。
今回の5つのポイントを実践しても改善しない場合は一度ご相談下さい。
末盛内科クリニック 院長 伊藤智康