当院ではCOVID-19の流行に伴い、2021年2月よりコロナ後遺症外来を開設しております。
開設して2年半以上が経ち、以来800人以上の方が当院にCOVID-19罹患後症状でご相談に来られました。
開設当初はCOVID-19の流行初期は後遺症の認知度はまだ低く、対応医療機関もほとんどなかったため藁をもすがる思いで当院に相談に来られる方も多くおられました。当時はまだウイルスとしての毒性も強かった時期でしたので後遺症症状も重く、今でも通院されている方がいらっしゃいます。一般にウイルスは変異を繰り返していくうちに弱毒化していくというのが定説としてありますが、現在も後遺症の新規の相談は一定数あります。
もちろん、流行開始当初より感染者数は比べ物にならないくらい多いため感染者数に対する後遺症を発症される方の割合は減少傾向にあるのかもしれませんが、依然として軽視はできない状況です。
コロナ後遺症の症状は咳や息苦しさ、味覚・嗅覚障害以外にも、全身倦怠感、頭痛、関節痛、筋肉痛、脱毛、食欲低下、意欲・気力の低下、不眠など多岐にわたります。以上のような症状がCOVID-19罹患後少なくとも2か月以上続くものがCOVID-19後遺症と定義づけられています(諸説あり)。
開設した当初は後遺症の存在自体の認知度が低かったせいもあり、相談に来られる方の多くが発症から2か月以上経過している方たちでしたが、認知度が上がるにつれて相談に来られるタイミングが早くなってきている印象があります。そのためか、最近は初診から数回の通院で症状が改善する方も多い印象です。
当院では症状に対して主に漢方薬を用いて治療を行いますが、病態に応じて現代医学の治療薬も併用します。倦怠感や不眠などの症状については投薬だけでなく、日常生活における注意点なども紹介しています。
コロナ禍と呼ばれた時期が過ぎた現在においてもコロナ後遺症の病態は明確になっておらず、特効薬もありませんが対症療法でも改善していく方が多くいらっしゃいます。
コロナ後遺症は非常に多彩な症状を呈するため、コロナにかかった後から『味や匂いの感じ方が変わった』『咳が長引く』『いつまでたってもだるさが抜けず疲れやすい』『眠れない』『食欲や気力がない』『集中力が続かない』『体が痛い』『急に髪が抜け始めた』などの症状が続いている方は一度ご相談ください。
末盛内科クリニック 院長 伊藤智康
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